朦朧日記

眇めに語る些事の重箱

2020-01-01から1年間の記事一覧

なかったことになんかできない

机に据えた電灯が壊れてしまった。自分では直せないようだ。 15年以上は使っているが、好きな形だったので 同じものを探したら、あった。ネット通販で手配して安心。 腕の部分は工作用にとっておいて、傘も何かに使えないかしら。 いじってたら、傘からソケ…

あとはタイミング

一念発起したのが夕暮れ時で、 渾身の力を込めて生地を練り、発酵させている間 やる気の種火を消さぬよう、何時ぞや 招かれたお宅にてごちそうになった アボカドとクリームチーズを混ぜたものを我が家でも、と 入念にかき混ぜて焼きたてに向けて待機。 ソー…

秘密が行方不明

昔々、わたくしの子は無口な子供であったが、たまに喋った。 両のげんこつを合わせてから花が開くように指を広げ、 腕ごとこちらに向け突き出して、得意げに 「じじぼ」と言って、ひゃらひゃら笑いながら、あっち行ってしまった。 「じじぼって、何?」聞い…

乙女のちから瘤

小さいこしゃこしゃしたものは、いずれこんなかたちになっていく。 うっとり陽に溶けて、果物しか口にしたことのない架空のお嬢さん、 擬人化したらそんな雰囲気。斯くあれかしと願われながら 炙られ叩かれ鍛えられ、ざらざらした鋼で擦られて、作られる。 …

タイム麻疹

かつては、おおむねしょんぼりしていたが 苦手なことがいつの間にか 意外に平気になっていたり 発想すらしなかったことをやっていたり、けっこう上機嫌だよ。 若かった自分に大丈夫だからって言ってやりたいが、 うっすら憧れていたことさえ何ひとつ到達しな…

料理はドラマだ

たとえば主人公(ハンバーグ)の人生は さまざまな出来事、経験(挽肉や玉葱その他の野菜、パン粉や香辛料)が 練り合わされ、そっと寄り添う恋人(目玉焼き)や 脇を固める助っ人的な面々(つけあわせ)とともに ナイスなソース(好運、チャンス)で素敵な…

昔々あるところに

暗い森に小径が続いて、その先の藪を抜けたら 湖がありました。 わたくしが子供のころ、キャラメルのおまけに 淡い色彩の絵に謎詩をそえたカードが入っていて 集めたかったが、キャラメルあまり好きじゃなくて 二枚くらいしか持っていなくて 今でも持ち物の…

アン・ナバンというらしい

何かを抱えるように 腕を輪にするバレエの構えに似ていると思えば 老眼鏡にも優雅なところがあるのだ、と 自らを宥める。

小舟に揺られて

小さい、こしゃこしゃ したものが どんぶらこ、ながされてゆきますよ。 などと、ひとりで「昔々あるところに劇場」を展開しつつ お風呂でちゃぷちゃぷ、も捨てがたい。 とは言えこれは 黒いところに黒いものを置いて撮ってみる実験なのだ。

おひさしぶりね

出先で知人に遭遇した折 「瘦せたんじゃない?」と聞かれたが 思いあたるふしがないので 「老けたのよ」と答えた。